2025年12月10日(水)、都立三鷹中等教育学校の高校2年生146名(24グループ)を対象とした海外修学旅行前後研修が国連大学で開催されました。
今回の研修では、台湾研修の事前レポートをもとに生徒たちが全12チームに分かれて発表を行い、各分野で活躍するサポーターによる講評と講演、パネルディスカッションが実施されました。
サポーターとして登壇したのは、株式会社siimee 代表取締役社長 梅谷菜穂氏、ファシリティジャポン株式会社 カントリーマネージャー 長井早和子氏、株式会社日立ドキュメントソリューションズ主任/TOKYO Smart Share 代表 梅木大輝氏、株式会社ボーダレスジャパン クラウドファンディングForGood代表 小松航大氏、株式会社Wildlife Ventures 代表取締役 赤石旺之氏、NPO法人MOTTAI広報部/個人事業主 岸はつみ氏の6名です。


生徒の発表テーマは、「台湾バイク事情」「日台コンビニアイス比較」「歩きスマホの比較」「最古の寺の日台比較」「日台日焼け止め比較」「日台ピクトグラム比較」「日台地下鉄設備・マナー比較」「日本統治の名残」「台湾の看板」「台湾のおみくじ」「タピオカのお店」「台湾のコンビニ翻訳の有無」など、日常生活や文化の違いに着目した内容が多く、サポーターからはそれぞれの着眼点や探究の深さに対して具体的なフィードバックが寄せられました。

講演では、赤石旺之氏がケニアでの事業経験を紹介し、象の習性を活かした社会課題解決の実例を、生徒たちに分かりやすく伝えました。長井早和子氏は、フランス本社を持つ企業での欧州ビジネス経験をもとに、語学力やキャリアの選択肢について語り、パネルディスカッションでは生徒からの質問に答えながら、グローバルな視点や挑戦することの意義について意見交換が行われました。
生徒アンケートからは、
- 「やってみたいことや新しいことに挑戦することに恐れる必要はない」「既存のものを伸ばすことも探究の一つだと知った」(梅谷氏)
- 「自分の興味を探りつつ転職も視野に入れて行動している姿が印象的。英語力の重要性を感じた」(長井氏)
- 「海外事例を日本に適応させるという考え方を新しく知れてよかった」(梅木氏)
- 「ヒッチハイクや世界一周の話が刺激になった」(小松氏)
- 「象が蜂を嫌う性質を使った事業の話が面白かった」(赤石氏)
- 「何事も挑戦してみることが大切だと感じた」(岸氏)
などの声が寄せられ、多様な視点や経験が生徒たちに刺激と気づきを与える機会となりました。
今回のプログラムを通じて、生徒たちは自分の興味や日常の違和感から探究を深め、挑戦することの大切さやグローバルな視野を身につける貴重な体験を得ることができました。
<梅谷 菜穂 氏>
- 株式会社siimee 代表取締役社長
○生徒へのメッセージ
誰かの役に立ちたい、と思ったときに、一番大切なのは、原点となる一人一人と向き合うことだと感じています。私自身はそれをラオスという異文化の中で経験しながら、国や人の違いの面白さを感じ、ともに何かを作り上げることで大切なことを学び人生が豊かになると感じてきました。
自分の好きなことと、誰かの役に立てそうなところの交差点を探せば、誰かにとっても、自分にとっても幸せな仕事や生き方が見つかると思います!
<長井 早和子 氏>
- ファシリティジャポン株式会社 カントリーマネージャー
○生徒へのメッセージ
大企業もスタートアップもどっちも経験してよかったです。「これをやらなきゃ」ではなく、「これがやりたい」が見つかると仕事もやりがいを感じることができます!
<梅木 大輝 氏>
- 株式会社日立ドキュメントソリューションズ主任 兼 TOKYO Smart Share 代表
○生徒へのメッセージ
今、目の前に見えている「常識」も「ルート」も、過去の誰かが歩いた道にすぎません。 本当のワクワクは、その先の「まだ誰もやってないこと」の中にあります。 「なんかおかしくない?」「これって、もっと面白くできない?」――そんな感覚こそが、あなたの才能の芽です。
最初は変人扱いされるかもしれない。失敗するかもしれない。でも大丈夫。 社会は“挑戦する人”を、時間差でちゃんと認めてくれる。 だからこそ、今だけは全力で遠慮せず、自分の「好き」「違和感」「情熱」に正直になってほしい。
僕もまだ走り続けている途中です。 でも、仲間がいるから怖くない。信じて踏み出す一歩が、未来の空気を変えていくと信じています。 あなたの行動が、誰かの勇気になる。だから――その一歩、めちゃくちゃ価値あるよ。
<小松 航大 氏>
- 株式会社ボーダレスジャパン
- クラウドファンディングForGood 代表
○生徒へのメッセージ
自分が追い求める理想の姿に近づくためには、自分が少しでも気になったことには、まず飛び込んでみることが大切だと思っています。何か決断をする時や、経験したことの無い状況に一歩を踏み出す時には、もちろん不安な気持ちもあります。
でも、一歩を踏み出した結果、失敗をして得られる「反省」は未来に活かせますが、一歩を踏み出さずに残ってしまう「やらない後悔」は、何より辛いと思っています。
なので、どうしても勇気が出ない時は、心の中で半分目を瞑って、まずは一歩を踏み出してしまうようにしています。(右記事より引用:https://u-29.com/2023/09/27/komatsu-kodai/3/)
<赤石 旺之 氏>
- 株式会社Wildlife Ventures 代表取締役
○生徒へのメッセージ
私がケニアで事業を始めた原点は、学生時代にケニアでボランティアに参加した経験でした。現地で出会ったのは、豊かな自然と、そこで懸命に暮らす人たち、そして農作物を荒らしてしまう野生動物たちの姿。保護すべきはずの動物たちが人の生活を脅かし、生活のために動物を追い払わざるを得ないという、どうしようもない矛盾を前に、私は「自然と人は本当に共存できるのだろうか?」という問いを抱くようになりました。その問いを出発点に、私はケニア・マサイマラで、ゾウと人との軋轢をミツバチの力で解決する養蜂事業を立ち上げました。ゾウがハチを嫌う習性を活かして、畑のまわりに養蜂箱を設置し、被害を防ぐと同時にハチミツを収入源にする。野生動物の保全と、地域の暮らしの再建を両立する仕組みです。
もちろん、最初からうまくいったわけではありません。英語もうまく話せず、ビジネスも素人。完璧な知識や経験なんて、誰も最初から持っていません。現地に飛び込み、人と出会い、自然と向き合いながら、「とりあえずやってみる」を続ける中で、少しずつ道が見えてきました。
私もこれまでにたくさんの迷いや失敗を重ねてきましたが、それがすべて今の自分につながっています。失敗したって、かっこ悪くなんてない。むしろ“やらないこと”の方が、ずっともったいない。正解のない時代だからこそ、「これが面白い」「このままじゃ悔しい」といった素直な感情が、挑戦の出発点になると信じています。
今の自分に自信がなくても、「問い」を持ち続けることができれば、きっと道は開けます。だから、もしあなたが「何かやってみたい」と少しでも思っているなら、それはもう、始まりです。
このTIB Studentsのプログラムを通じて、あなたの中にある「問い」や「モヤモヤ」が、誰かと出会い、考え、動く力に変わっていくことを願っています。私自身のリアルや葛藤、そしてフィールドでの小さな手ごたえが、あなたの“次の一歩”につながったら嬉しいです。
<岸 はつみ 氏>
- NPO法人MOTTAI 広報部
- 個人事業主・フリーランス
○生徒へのメッセージ
学生さんならではのアイデアや、若いエネルギーから新たな取り組みが誕生することを楽しみにしています。