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東京都アントレプレナーシップ育成プログラム 岩倉高等学校サポーター派遣報告

2025年1月30日(木)、岩倉高等学校に株式会社ディー・エヌ・エー田中様と絹川様を派遣し、総合的な探究の授業にて高校2年生60名向けに講義を実施しました。

岩倉高等学校では、高校2年生の総合的な探究の時間にアントレプレナーシップ教育を導入し、起業を見据えたピッチやプロトタイプの制作に力を入れています。今回は、起業に至る一連の流れの中でも「収益モデルの構想」についてより深く理解することを目的に本事業を導入しました。

田中 翔太氏(株式会社ディー・エヌ・エー グループエグゼクティブ エンターテインメント開発事業本部事業統括部 統括部長 (兼)事業戦略統括部事業開発部長(戦略投資・ファンド投資担当)/株式会社集英社DeNAプロジェクツ 執行役員/中央大学国際情報学部 兼任講師/中央大学政策文化総合研究所 客員研究員)

田中様からは、アニメという高校生にも身近なテーマを基に、ビジネスモデルや価格決定・収支についてお話し頂きました。普段はビジネスにあまり馴染みのない生徒も、田中様からアニメやゲームの市場規模・制作工程・費用について詳細にご紹介頂いたことで、具体的な要素をイメージしながら収支モデルや経済に関する理解を深めることができました。「アニメやゲームの制作者として、ユーザーが何をしてくれたら嬉しいか」などの質問も多く飛び交い、収益モデルに加え制作者と顧客の関係も学ぶことができました。

 

絹川 輝和氏

絹川様のクラスでは、具体的な製品例を用いてユーザーの価値観に基づく価格決定の重要性と事業収支の考え方についてお話し頂きました。絹川様はiPhoneを例に挙げ、製品価格の決定には原価や利益率のみならず、製品そのものが持つ機能や代替手段との比較といった要素が関係することをご説明頂きました。また、短期的には赤字だが、長期的には収益が安定する「Jカーブ」を目指した事業成長についてもご紹介頂きました。

授業内では生徒とビジネス案の内容について話し合うなど、今までの取組をさらに深める時間となりました。

アンケート結果では、「製品を1から制作・販売するのは想像以上に複雑で難しいことが分かった」「自分たちの身近にあるものの裏側や経済との繋がりを知ることが出来てとてもありがたかった」「使用者の気持ちを第一に考えながらビジネスモデルを作りたい」といったお声を頂きました。

また、御担当教員からは「身近な例を挙げながらお話し頂いたため、生徒たちにとってビジネスに更に関心を持つきっかけになったと思う」との御回答を頂きました。

最前線で活躍している方々の実践的なお話を聞くことで、収支やビジネスに関する知識を深めるだけではなく、人生や進路・キャリアについての漠然とした不安に対して生徒たちが自発的に行動しようとする兆しが見えた派遣でした。