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東京都アントレプレナーシップ育成プログラム 中央大学附属中学校・高等学校サポーター派遣報告

川上裕太郎氏(株式会社ユーザベース スピーダコンサルティング Director

2025年2月21日(金)、中央大学附属高等学校に株式会社ユーザベース川上様を派遣し、アントレプレナーシップ入門講座の受講生である高校2年生40名向けに、講義とビジネス案への講評を実施しました。

中央大学附属高等学校では、高校2年生の選択授業として「アントレプレナーシップ入門」を開講しており、将来起業したり組織の中で何か新しいことに取り組んだりするために必要な知識や思考、行動力を身に付けることを目的に、世の中のイノベーション事例の分析やビジネス案の作成に取り組んでいます。

そこで、今回はビジネス案の講評に加え、「自分のやりたいことは何か」「やりたいことを実現するにはどのようなスキルが必要なのか」をより深く考えるきっかけになるよう、本事業を導入しました。

授業の前半には、川上様から、自分に合ったキャリア形成の大切さや、自分の目標を達成するために身の回りの環境を変えることの重要性に関するお話がありました。

大学卒業後、株式会社ニトリに入社し、実店舗の数値管理や業務改善、組織開発や新規大型店舗の立ち上げに従事した川上様。転職を経て自身が様々な領域でキャリアを重ねる中で、何もないところから新たな価値を生み出すことが好きであり、得意であることに気づき、現在従事している新規事業開発に携わることを決めたというご自身の経歴をご紹介頂きました。

更に、好きなことや向いていることを見つけるためには「小さな成功体験」を積み重ねることが大切であると述べ、そのためにはまず「身の回りの環境を変えること」が大切であると強調してお話しされていました。また、川上様は「朱に入って朱に染まる」という言葉を引用しながら、「いきなり挑戦することは難しくても、まずは自分を刺激してくれる環境を作り、周りの普通を変えることで自分も変わり、段々と大きな物事へ挑戦できるようになると感じている」と生徒たちに言葉を届けました。

授業の後半には、具体的な環境設計のポイントについてお話がありました。

「Willの分散投資」という言葉を使い、1つの居場所でやりたいことを達成しようとせず、様々なコミュニティに所属しながら自分の夢や目標に向かって行動することが大切であるとお話し頂きました。また、生徒たちから川上様のお仕事や環境づくりに関する質問が多数挙がり、白熱した質疑応答の時間となりました。

ご講演後、生徒たちは各々のビジネスアイデアを発表し、川上様からアイデアを更に良くするためのヒントや考え方についてご共有頂きました。

そして最後には、川上様から生徒達へ「好奇心がある限り、道は開かれる。どうして興味があるのか自分自身に問い続けてほしい」とエールを送り、ご講演を締めくくられました。

アンケート結果では、「挑戦と言われると難しく感じるが、環境を変える努力は簡単にできるので、漠然と何かをやらなければいけないという不安が和らいだ」「挑戦と言われても今まで難しいなと思っていたが、『環境設計能力を作れ』と言われたら少し現実味を帯び、自分でも変われるかもしれないと思えました」「環境を変えるための具体的な行動は初めて大人の方から教えてもらったため、とても充実した学びになりました」など、環境設計に関する多くのお声を頂きました。

また、御担当教員からは「すぐに起業したり、新しいことを始めたりすることは難しいため、『環境を調整する力』の紹介は生徒にとって新しく、またこれから必要なこととして理解したように思います」との御回答を頂きました。

キャリアの多様性や好きなことへの向き合い方を学ぶことができ、「好き」にしたがって行動してみることの大切さや身の回りの環境設計について考えるきっかけとなる派遣でした。