2025年3月6日(木)、鷗友学園女子中学高等学校にサポーター4名を派遣し、中学1年生約250名向けに「環境問題を解決できるアクションを考えよう!」をテーマとした講義とパネルディスカッションを実施しました。
鷗友学園女子中学高等学校ではロングホームルームの授業の中で、中学1年生では「環境」、中学2年生では「福祉」、中学3年生では「職業選択・平和」について学習しています。
鷗友学園への2回目の派遣となる今回は、中学1年生を対象に「生徒たちが身の回りで起きている出来事に対して関心を抱き、広い視野を持ちながら自分事として考えるきっかけを作ること」を目的として本事業を導入しました。派遣の前には、サポーターの皆様によって提示頂いたそれぞれの『問い』に対して、自分なりの答えや考えを導くために調査やアイデアの構想を行いました。
過去の派遣レポートはこちら
https://entrepreneurship.metro.tokyo.lg.jp/report/seminar_report_20241204/
授業の前半には、「エコロジー」「宇宙」「インフラ」「エネルギー」の4テーマに分かれ、講義を実施しました。
田上様のクラスでは「エコロジー」をテーマに、『マイボトルやマイバックは本当にエコか?』という問いについて生徒達と考えを深めました。また、高校生時代に環境に関する取組に参加されたご経験を基に、一般的に「良い」とされている環境への取組が本当に「良い」のか「当たり前を一度疑ってみること」の大切さについて、加えてこのような考え方がどのように医療・福祉搬送に取り組む自身の事業に繋がっているかについてお話し頂きました。
井口様のクラスでは「宇宙」をテーマに、『宇宙空間の限られた資源を有効活用するプロダクトは何か?』という問いについて生徒達と考えを深めました。また、宇宙産業のトレンドや宇宙ごみの問題など宇宙領域について詳しくご紹介頂き、加えて宇宙領域を含む女性が少ない事業における今後の女性活躍推進やジェンダーの平等についてもお話し頂きました。
水野様のクラスでは「インフラ」をテーマに、『地震が発生してインフラが使えなくなったら、どんな生活になる?』という問いについて生徒達と考えを深めました。また、土木工事や防災事業に携わったご経験を基に、日常生活における土木工事の必要性や人と環境のつながり、身の回りの環境問題を自分事として考えることの大切さについてお話し頂きました。
濱本真平氏(株式会社Blossom Energy 代表取締役社長)
濱本様のクラスでは「エネルギー」をテーマに、『世界で一番早く『脱炭素』を達成するのはどこの国?その方法は?』という問いについて生徒達と考えを深めました。また、エネルギー技術の変遷や脱炭素の取組・起業のきっかけについてご紹介頂き、「大きな目標を達成するには自分の内側から沸き立つ野心『アニマルスピリッツ』が大切である」とお話し頂きました。
授業の後半には、御担当教員をモデレーターとして、全体でパネルディスカッションを実施しました。
パネルディスカッションは、前半クラスの振り返りを行った後、「アクションに繋げるためには何が大切?」「仕事のやりがいは?」というテーマに基づいて進んでいきました。
サポーターの皆様からは、それぞれの会社の事業や起業の背景を基にご意見を頂き、質疑応答では起業に関する裏話や進路に関する相談など様々な質問が生徒たちから投げかけられ、学びと笑いに溢れる充実した時間となりました。
そして最後には「起業家精神とは?」という質問が御担当教員より投げかけられ、「何をするかよりも『誰とするか』」「どうしてもやりたい!という『熱』」「『アニマルスピリッツ』」という三者三様のユニークな回答を頂き、パネルディスカッションが締めくくられました。
アンケート結果では、「今までは中々身近に感じられないものが多かったが、皆さんのお話を聞いて興味を持つことができた」「一度原点に戻って、自分が当たり前だと思っていることの中に問いを見つけることが大事であると実感した」「『失敗を恐れない』ことの大切さを聞けたことが、私にとってとても大きなターニングポイントになった」などの感想を頂きました。
また、御担当教員からは「サポーターの方々の『何をするかより、人とのつながりが大切』『失敗してもどうにでもなると思っていた』『自分の好きなことを見つけてみる』といったメッセージは、生徒を勇気づけたと思う」「やりたいと思ったこと、興味を持ったことを深めていく大切さ、視野を広く持つことの大切さを中学1年生のうちから聞くことができるのはとても貴重な経験だと感じた」などの声を頂きました。
新たな領域への興味が生まれ視野が広がるのと同時に、未来には多様な選択肢があることを知るきっかけとなる派遣でした。