2025年6月6日(金)と6月25日(水)、都立小川高等学校で高校3年生を対象に「政治・経済」の授業内で派遣授業が実施されました。
本講義では小松航大氏と鈴木彩衣音氏を講師に迎え、社会問題解決につながるソーシャルビジネスの概要や意義・起業に至るまでの経験・想いを伝えることを目的とした講義が行われました。
小松氏は、クラウドファンディングを活用したソーシャルビジネスを立ち上げたきっかけを紹介しました。その中で、社会問題を「自分とは関係ないもの」と捉えるのではなく、身近なものとして考えることの重要性を力強く語りました。
そして、「ソーシャルビジネスは”社会問題をビジネスという手法を用いて解決するアプローチ”である」ということを生徒たちに伝えました。
鈴木氏は、自身のマレーシアでのボランティア活動やNGOでの経験を通じて、ジェンダー問題への関心を深めた経験やソーシャルビジネスへ興味を抱いたきっかけを紹介しました。また、高校生時代には具体的な進路を見つけることができなかった経験を踏まえ、「興味のあることに触れる大切さ」や「やりたいことがなくても、いつか必ず出会える」というメッセージを生徒たちに送りました。
講義後の生徒アンケートでは、「社会貢献に興味を持った」「自分のやりたいことを優先していいんだと勇気をもらえた」「将来の夢が決まっていなくても、方向性を見つけることができると分かった」などの感想が寄せられました。
また、「社会問題を解決するために行動を起こすことの難しさを知ると同時に、それを支援する仕組みがあることを学び、将来に向けてもっと行動してみようと思った」という意見もあり、生徒たちが将来への意識を変えるきっかけとなったことが伺えます。
〈小松航大氏〉
- 株式会社ボーダレスジャパン クラウドファンディングForGood代表
1998年5月香川県生まれ、慶應義塾大学総合政策学部卒業。WASSHAでのインターンを経て、2022年に「ソーシャルビジネスしかやらない会社」株式会社ボーダレスジャパンに参画。ソーシャルグッドなクラウドファンディングサービス『For Good』の創業に携わり、2023年より代表に就任。中東・アフリカ・南米を中心に30カ国を旅した現役バックパッカー。
〇生徒たちへのメッセージ
自分が追い求める理想の姿に近づくためには、自分が少しでも気になったことには、まず飛び込んでみることが大切だと思っています。
何か決断をする時や、経験したことの無い状況に一歩を踏み出す時には、もちろん不安な気持ちもあります。
でも、一歩を踏み出した結果、失敗をして得られる「反省」は未来に活かせますが、一歩を踏み出さずに残ってしまう「やらない後悔」は、何より辛いと思っています。
なので、どうしても勇気が出ない時は、心の中で半分目を瞑って、まずは一歩を踏み出してしまうようにしています。
〈鈴木彩衣音氏〉
- 株式会社SISTERS 代表取締役
1999年東京都出身。中学生の時に社会課題に関心を持ってから、海外ボランティア、学生団体の立ち上げを実施。東洋大学社会学部に入学後、スタートアップにてFemtech領域の事業開発、複数社でのインターン、学生起業を経験。2022年株式会社ボーダレス・ジャパンに新卒入社し事業開発を経験後、2023年7月株式会社SISTERSを設立する。
〇生徒たちへのメッセージ
中高生の頃、学校外で活躍している方の姿に刺激を受け、最初の一歩を踏み出しました。それが、今の私を形作る大きなきっかけとなっています。
当時は「自分がどんな職業に就きたいか」など具体的なイメージは持っていませんでしたが、興味のあること、社会に貢献したい想いに、ワクワクしながら突き進んでいました。その積み重ねが私自身のアイデンティティとなり、今の会社を立ち上げることに至りました。
みなさんが自分らしい道を切り拓く過程で、少しでもお役に立てるヒントをお届けできれば嬉しいです。