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東京都アントレプレナーシップ育成プログラム 東京電機大学中学校高等学校サポーター派遣報告

2025年7月1日(火)、7月3日(木)の2日間、東京電機大学中学校高等学校で中学3年生を対象に「探究」の授業の一環として派遣授業が実施されました。

本派遣ではソニーマーケティング株式会社の萩原丈博氏と国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の大城昌晃氏を講師に迎え、「課題設定に大切なことは何か」「課題設定の視点・スキル」「仮説の設定方法」について、両講師の原体験を交えたお話をしていただきました。

萩原氏は、AI時代における問い(イシュー)の立て方や、アントレプレナーシップ発揮の第一歩について具体的な事例をもとに解説されました。また、IoTブロック「MESH」の事例を交え「問題がうまくいかない時は抽象化や視点の転換が重要であり、具体と抽象を行き来することで応用力が広がる」とお話いただきました。

大城氏は「AI時代だからこそ良い問いの立て方が重要で、問いのレベルが低いと本質的な解決に至らない」と述べ、「自身の関心と社会的ニーズを考え、実現できる場所を探すことがアントレプレナーシップの第一歩」とのお話をいただきました。

講義後の生徒アンケートでは、「新しい視点で物事を考えるきっかけになった」という感想や、「将来に役立つ話だった」という前向きな声が多く寄せられました。

また、「ビジネスへの興味が深まった」という声も多く、生徒がビジネスに興味関心を持つきっかけになったことが伺えました。今回の講義は、生徒たちが自らの将来について考え、行動するためのきっかけとなる、有意義な機会となりました。

 

<萩原丈博氏>

  • ソニーマーケティング株式会社 B2Bプロダクツ&ソリューション本部 B2Bビジネス部 MESH事業室 室長
  • 一般社団法人 Arc & Beyond 業務執行理事 / Co-Founder
  • IoTブロック「MESH」の開発者

ソニー入社後、ネットワークサービスの企画開発や、機械学習など知的情報処理の研究開発に従事。2011年-2012年スタンフォード大学訪問研究員として、Human Computer Interaction領域で研究。2012年にMESHの原型となるプロジェクトをスタートし、2015年にMESHを発売。

MESHは2015年度グッドデザイン賞で未来づくりデザイン賞、2018年度キッズデザイン賞で子どもたちの創造性と未来を拓くデザイン部門優秀賞経済産業大臣賞を受賞。

現在、全国各地の小学校プログラミング教育や、大学などの高等教育、社会人の研修等に活用されている。コンピューターテクノロジーを文房具のように誰でもアクセス可能なものにすることで、人々の創造性を支援していくことを目指している。

〇生徒たちへのメッセージ

私たちが生まれながらにして持っている好奇心と創造性は「人間らしさ」と称する魅力の源だと考えます。それはテクノロジーが発展した今でも変わらず、むしろ上手につきあいながら、いろいろな可能性がもっと広がっていくことでしょう。だからこそ、身近なところからでも課題を発見し、手を動かして試行錯誤する体験はとても大事になっていくと思います。はじめの1歩、応援します。

萩原 丈博 | TIB Students

 

<大城昌晃氏>

  • 国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO) グリーンイノベーション基金 プロジェクトマネージャー

高校生の頃から、地球温暖化問題に関心があり、温暖化防止に貢献するキャリアを選択してきました。
現在は、日本のグリーン成長戦略を実現するためのナショナルプロジェクトである「グリーンイノベーション基金事業」CO2分離回収案件のプロジェクトマネージャーを担当しています。

以下をお話しすることができます。

  • エネルギーの歴史と地球温暖化問題
  • 地球温暖化問題を解決する手段としての水素エネルギー
  • CO2分離回収技術の最前線
  • 地球規模の社会課題に向き合うために、学生時代の過ごし方のアドバイス

大学院を修了し、技術の力で、温暖化の抑制を行いたいと思い、エンジニアリング会社に入社しました。
CO2排出量の少ない、天然ガスのプラント設計に従事。
その後、プラント設計・建設業務を通し、プロジェクトマネジメントを身に付けました。
天然ガスは、化石燃料では、比較的少ないですが、CO2を排出するため、利用時にCO2を排出しない水素エネルギーを取り扱う部署に、希望し異動。
世界初となった水素の国際間輸送のプロジェクトを担当。

現在、NEDOに出向し、グリーンイノベーション基金 CO2分離回収案件を担当しています。技術の価値をどのように社会実装し、社会をより良くしているかを、日々考えております。

〇生徒たちへのメッセージ

高校生の頃から、地球温暖化問題に関心があり、温暖化防止に貢献するキャリアを選択してきました!
社会課題としてのテーマは、大きいですが、日々の積み重ねが、未来を創ります。
中高生の皆さんは、可能性は、無限大で、何モノにでも成れると思っております!!

私の経験やお話しが、中高生皆さんの考え方や行動を変えるきっかけになるような対話ができれば思っております。

皆さんにお逢いできることを楽しみにしております。

大城 昌晃 | TIB Students