2025年11月27日(木)に、都立小石川中等教育学校の3年生を対象に、キャリア学習の一環として派遣授業が実施されました。
本派遣では跡部悠未氏、黒田翔太氏、栄田源氏を講師に迎え、高校生活と進路選択及び大学での学びとキャリアのつながりをテーマに講義が行われました。

跡部氏は、高校や大学時代の経験を語る中で、高校で米国に留学したことが大きなターニングポイントであったと述べ、考え方など日本の高校で否定されていたことが、アメリカでポジティブに評価された経験を通じて世界観が変わったことを共有しました。
また、大学3年生で別の大学に入り直し、学部の課題に没頭する中で得た経験が、今の仕事に活きていることや、大学時代にアルバイトで稼いだお金で海外経験を積んだ経験が、「大失敗をしても何度でも挑戦できる」という姿勢につながり、現職で活きていると述べ、高校・大学での経験や学びが、今どのように活きているのかを分かりやすく伝えました。
講演の最後には、「人生は一つの正解があり、そこに一直線で着いたほうが勝ちというわけではない。どの選択肢を選んでも正解・不正解は無い。自分で選んだかどうかが大事である。」と生徒たちにメッセージを残しました。

黒田氏は、ご自身も中高一貫校に通ったことを共有し、高校で自分の意志・目標を持ってやり抜き結果に結びついたことが自分の自身につながった経験を語りました。
また、現職においてイントレプレナーとして苦労した経験談では、「あきらめて良い瞬間も沢山あったが、自分がこの事業を行い、世に出すことが社会のためになると信じて、あきらめずに行った」「助けてくれる仲間もいて、自分を応援してくれる人をどのように増やすのか考えながら、人間関係を構築して自分の選択した道を走った」と述べ、自分の意志で道を選ぶ・目標を決めることが何よりも大事であるというメッセージを残しました。
講義後には、生徒からイントレプレナーの社内的立場について質問が出るなど、現職のご経験を学生にも分かりやすく、興味深く共有しました。

栄田氏は、ご自身の進路選択について、アイアンマンを見てロボット・機械工学を選んだエピソードを共有し、好きなものを突き詰めることが大切であると伝えました。
また、学問を突き詰める際は、勉強は必要だが、勉強だけではなく、世の中の色々なものを見て欲しいと伝え、大学時代に取り組んで良かったこととして、留学やアルバイトのほか、青春18きっぷを買い国内を往復するなど、世の中の色々なことを知るために行動したエピソードを共有しました。
講演の最後には、大学に行く意義の一つとして、大学時代に作るコミュニティが今の研究活動に活きていることを話し、大学はこうしたコミュニティを作れる貴重な場であることを伝えました。
講義後の生徒アンケートでは、「建築系の分野に行きたいというある程度の目標はあるけれど、そこまでの道はあまり見えていなかった。でも、あまり焦らず、いろいろなことを体験して考えることも大事なのかと思った。」、「自分を応援してくれる人をどうやって増やすか、よく考えてよい道を選ぼうと思います。」、「栄田さんのように好きなもののために勉強することも大切だと感じた。」といった気づきのコメントや「講師の先生方の決断力・行動力・実行力に感動しました。自分も実践していこうと思います。」といった前向きな感想が聞かれ、授業が生徒たちにとって有意義な時間となったことがうかがえました。
<跡部 悠未氏>
- 東京農工大学 ディープテック産業開発機構 准教授
大学で学んだ専門は建築デザイン(筑波大学・芸術学)と都市形成史(豊橋技術科学大学大学院・工学)。博士(工学)、一級建築士。
卒業後、建築設計や都市計画の実務経験を経た後、トヨタ産業技術記念館、名古屋大学、産業技術総合研究所にて、産業技術のアウトリーチや研究開発型スタートアップの創出支援を行う。現在は、東京農工大学にてアントレプレナーシップ教育やイノベーション拠点形成に従事する。
学生時代は東南アジアをバックパックで歩き回る。夢は開発途上国のスラムで子ども向けのビジネススクールを開くこと。
〇生徒たちへのメッセージ
社会や世界、人生観は、いる場所や見る方向によって驚くくらい異なります。学生のうちにいろいろな価値観を持つ世界にダイブしてみてください。見えてくるものが変わるかも
<黒田 翔太氏>
- 野村不動産株式会社 住宅事業本部 賃貸•シニア事業部 賃貸住宅事業二課長
- TOMORE事業責任者
◎経歴
2010年に京都大学 経済学部を卒業し、総合不動産デベロッパー 野村不動産(株)に新卒入社。
日本国内、欧米での不動産投資事業に約10年従事し、不動産投資、投資家営業、ファイナンス、事業企画等を経験。
31歳で同社の労働組合委員長に就任し、経営層との折衝を経て、会社•組織変革活動を推進。その後、「自分の意思で、会社を動かし、社会を変えたい」と一念発起して、次世代向けコリビング賃貸事業「TOMORE:トモア」にて同社第1号の社内起業を実現。
◎社内起業(イントレプレナー)
「日本のひとり暮らしを、世界がひらく暮らしへ」と変革すべく、社内起業しました。 アフターコロナでワークスタイルの自由度が益々高まる中、一人暮らしの住まいの選択肢は限られ、都市部の家賃は更に高騰するなど、次世代の社会を担う単身アクティブワーカーの生活環境は多くの制約を抱えています。私はそんな彼らに、「快適な職住環境」と「コミュニティ体験」を提供する事で、一人暮らしの生活体験をアップデートする新たな住まい、コリビング賃貸レジデンス「TOMORE:トモア」を創業しました。
◎社外活動・メディア掲載歴
- ビジネスマガジン「Ambitions Vol.5」Newspicks系ビジネスマガジン「Ambitions」にて、日本を代表する社内起業家50人に選抜。
- 起業家育成プログラム「始動」 経済産業省/JETRO主催のグローバル起業家育成プログラム「始動Next Innovator 2023」に採択。米国シリコンバレー派遣に選抜。
- 書籍「出島組織というやり方」 翔泳社出版の書籍「出島組織というやり方」にて、20人の出島組織活動家に選抜。
※その他のキャリア・経験=コミュニティ
〇生徒たちへのメッセージ
私自身、チャレンジを続ける中で、自分の世界が一気に広がる事を経験しました。そしてその活動を続けていると、チャレンジを応援してくれる人たちが少しずつ集まり始めます。「挑戦者」は孤独ですが、1人ではありません。
私の経験からチャレンジへの一歩を踏み出すための背中を押す事ができたら嬉しいです。
<栄田 源氏>
- 株式会社Genics 代表取締役
・早稲田大学先進理工学研究科博士課程単位取得退学。ロボット工学専攻。
・トビタテ!留学JAPAN4期(オーストリアのams社にて1年間インターンシップ参加)
アトラスコプコ社(スウェーデン)やTOMODACHIイニシアチブ(アメリカ)などの海外プロジェクトへも参加経験あり
・在学中にWASEDA-EDGEプログラムを通して起業に興味をもち、2018年博士課程に入学と同時に株式会社Genicsを設立、ロボット技術で人々の生活を豊かにすることを目指す。
・2019年1月にアメリカラスベガスで開かれた CES2019で次世代型全自動歯ブラシを発表。
2024年ヘルスケアベンチャー大賞(日本抗加齢学会主催)にて「ヘルスケアイノベーションチャレンジ賞」を受賞(その他の受賞歴あり)
・ロボットの研究で培った知識で子供へのロボットを活用した教育にも従事。
東京都「小中学生起業家教育プログラム」の特別講師としても活動。
・文部科学省「アントレプレナーシップ推進大使」としても活動。
〇生徒たちへのメッセージ
新しいことにチャレンジするのは勇気もいりますが、非常に楽しいことです! 学生時代にさまざまなことにチャレンジすることは貴重な経験であり、私自身も実感しています。 皆さんがチャレンジしたいと思うことを一緒に考えていきましょう!