株式会社Wildlife Ventures 代表取締役
赤石 旺之
自身を端的に表す一言 | 生物多様性と人間社会をつなぐ、アフリカ発の社会起業家 |
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キャリア・経験 | 国際機関 ソーシャルビジネス 教育 スタートアップ |
講演可能テーマ | グローバル 起業 キャリア支援 若手からの視点 食・農 エネルギー |
ソーシャルメディア |

自己紹介
1998年東京都出⾝。⿃獣管理⼠2級。
千代田区立九段中等教育学校・東京農⼯⼤学農学部・東京都⽴⼤学⼤学院都市環境科学研究科卒業。
幼少期より野⽣動物や⽣態系の保全に関⼼を持ち、⼤学の学部では野⽣動物管理学を専攻。実習やサークル活動ではフィールドワークに明け暮れ、⻑期休みには国内外の保全の現場に訪問。⽣態系や野⽣動物の保全を⾏う上で、社会や⼈の活動との関係に課題を感じ、⼤学院に進学して野⽣動物マネジメントにおける社会科学的な側⾯を研究。
2024年4⽉にボーダレス・ジャパンに事業開発職として⼊社し、2024年12⽉に株式会社Wildlife Venturesを創業。養蜂箱フェンスによってゾウによる農作物被害を防ぎつつ、現地産ハチミツの輸出販売や保全型ツーリズムを通じて地域の生計向上と環境保全の両立を図る。
学生たちへのメッセージ
私がケニアで事業を始めた原点は、学生時代にケニアでボランティアに参加した経験でした。
現地で出会ったのは、豊かな自然と、そこで懸命に暮らす人たち、そして農作物を荒らしてしまう野生動物たちの姿。保護すべきはずの動物たちが人の生活を脅かし、生活のために動物を追い払わざるを得ないという、どうしようもない矛盾を前に、私は「自然と人は本当に共存できるのだろうか?」という問いを抱くようになりました。
その問いを出発点に、私はケニア・マサイマラで、ゾウと人との軋轢をミツバチの力で解決する養蜂事業を立ち上げました。ゾウがハチを嫌う習性を活かして、畑のまわりに養蜂箱を設置し、被害を防ぐと同時にハチミツを収入源にする。野生動物の保全と、地域の暮らしの再建を両立する仕組みです。
もちろん、最初からうまくいったわけではありません。英語もうまく話せず、ビジネスも素人。完璧な知識や経験なんて、誰も最初から持っていません。現地に飛び込み、人と出会い、自然と向き合いながら、「とりあえずやってみる」を続ける中で、少しずつ道が見えてきました。
私もこれまでにたくさんの迷いや失敗を重ねてきましたが、それがすべて今の自分につながっています。失敗したって、かっこ悪くなんてない。むしろ“やらないこと”の方が、ずっともったいない。正解のない時代だからこそ、「これが面白い」「このままじゃ悔しい」といった素直な感情が、挑戦の出発点になると信じています。
今の自分に自信がなくても、「問い」を持ち続けることができれば、きっと道は開けます。だから、もしあなたが「何かやってみたい」と少しでも思っているなら、それはもう、始まりです。
このTIB Studentsのプログラムを通じて、あなたの中にある「問い」や「モヤモヤ」が、誰かと出会い、考え、動く力に変わっていくことを願っています。私自身のリアルや葛藤、そしてフィールドでの小さな手ごたえが、あなたの“次の一歩”につながったら嬉しいです。